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北上

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多種多様な鬼の姿から「鬼とは何か」を探る博物館

北上市立鬼の館

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  • 鬼剣舞
記事制作:
Kappo
北上市立鬼の館

2024年6月に開館30周年を迎えた、岩手県北上市にある『北上市立鬼の館』。ここは北上市の「鬼」にまつわる様々な事柄を集め、調べ、学び合う場として開設された、全国でも珍しい鬼をテーマにした博物館だ。

鬼は古来より、怖いもの、人に災いをもたらすもの、人をとって食うものなど、恐怖の象徴とされてきた。また古代には、現在の東北地方に住む人々を「蝦夷(えみし)」あるいは「鬼」と蔑称し、征討の対象としてきた歴史もある。だが、北東北地方では北上市周辺に伝わる「鬼剣舞」や、秋田県・山形県・岩手県の沿岸部などの「ナマハゲ」「アマハゲ」「ナモミ」「スネカ」など、悪魔を払い、人々に幸せをもたらす「カミ」と同列に見なすところもあった。 

北上市民憲章には「あの高嶺鬼すむ誇り」と謳われている。初代館長の門屋光昭さんは「北上市立鬼の館だより創刊号」の中で「ここに住む人々にとって、鬼は幸せをもたらしてくれる遠祖に位置付けられ、誇り得る存在だ」と記している。日本古来からの鬼はもちろん、インドや中国など海外から渡来した鬼など多様な「鬼文化」を整理し、「鬼情報」を世界中へと発信していくことを目指す施設だ。 

北上市と奥州市に伝わる「風流踊(ふうりゅうおどり)」の一として、202211月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された鬼剣舞の公演なども開催。踊りや衣装、面に親しむこともできる。 

「鬼とは何か」という謎を紐解く、数々の資料が揃う「鬼の館」。鬼のルーツに出合いに、ぜひ訪れたい。 

開館30周年記念事業としてリニューアルした、巨大な鬼のモニュメント。
古代中国の「世界は四角い大地。その大地の四隅には門が建っている」という‘‘鬼門’'を表した「鬼居る門」。 

日本各地の祭りや芸能に登場する「日本の鬼面」と、アジアを中心とした様々な国の「世界の鬼面」を見比べてみよう。

インドネシア・バリ島に伝わる「聖獣バロンと魔女ランダ」。日本の鬼とのつながりも感じられる珍しい展示も多数。

北上市立鬼の館

住所
岩手県北上市和賀町岩崎16地割131番地
電話
0197-73-8488
開館時間
9:00~17:00(最終入館16:30)
休館日
12月~3月までの月曜日、12月~3月までの国民の祝日の翌日(土・日・月曜の場合は火曜)、館内整理日(11月27日~30日)、年末年始(12月28日~1月4日)、ほか臨時休館日あり
料金
一般500円、高校生240円、小・中学生170円、団体(20名以上)一般400円、高校生180円、小・中学生120円
※学校行事で利用する場合は申請によって無料
アクセス
・東北自動車道北上江釣子IC、秋田自動車道北上西ICよりともに車で15分
・JR北上駅より車で20分
・北上市内路線バス・おに丸号「岩崎橋」バス停から徒歩10分
住所
岩手県北上市和賀町岩崎16地割131番地
電話
0197-73-8488
開館時間
9:00~17:00(最終入館16:30)
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