かつての川床 甌穴から自噴する岩風呂
二岐温泉 大丸あすなろ荘

福島県の中通りから会津に抜ける国道118号。その峠の手前で南に入った標高800メートルの山中に、二岐温泉『大丸あすなろ荘』はある。
二岐温泉の歴史は平安時代にまでさかのぼり、969年、都を落ちのびた貴族がこの地で温泉を発見したという。大丸あすなろ荘は現在数軒ある宿の中でもっとも古く、江戸時代から旅籠として続いている。
川の近くにある「自噴泉岩風呂」は1728年に造られたもの。湯舟の底には「甌穴」と呼ばれる穴があり、その穴から湯が湧き出ている。甌穴とは川の小石によって削られた穴のこと。現在は川から10メートル離れているが、当時はそこが川床だったのである。
古くから温泉の湧き出ている場所は、川原であることが多い。川が大地を削った結果として、地中の湯が噴出しているのである。
大丸あすなろ荘の湯は加水もしない、湧きたての源泉掛け流し。泉質はアルカリ性の強い「カルシウム–硫酸塩泉」。無色透明のいわゆる「石膏泉」であり、昔から「傷の湯」ともいわれている。
ここは「日本秘湯を守る会」の宿であり、実に50代目という館主の佐藤好億さんはその名誉会長を務めている。





二岐温泉 大丸あすなろ荘
- 住所
- 福島県岩瀬郡天栄村湯本字下二俣5
- 電話
- 0248-84-2311
- IN
- 15:00
- OUT
- 10:00
- 部屋数
- 20室
- 宿泊料金
- 2万2150円(税込)~
- 日帰り入浴
- 800円(11:00~14:30)
- 泉質
- カルシウム-硫酸塩泉
pH8.8(源泉掛け流し)
- 住所
- 福島県岩瀬郡天栄村湯本字下二俣5
- 電話
- 0248-84-2311
- IN
- 15:00
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※本記事の情報は掲載時の情報です
- 取材・文:菅原ケンイチ
- 写真:菊地淳智