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イタリア料理の啓蒙 第二章、スタート

Casa del cibo カーサ デル チーボ

  • 八戸市
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  • コース料理
記事制作:
Kappo
Casa del cibo カーサ デル チーボ

覚悟を持った人は強い、と思う。シェフの池見良平さんは、まさにそうだ。「ここでしか食べられない料理でなければ、八戸で店をやる意味がないんです」。柔和な笑みを浮かべつつ話しているが、その言葉は八戸への地元愛、というより、自分に課した責務のように感じた。神奈川県相模原市出身で、東京の有名店で修業を積んだ後、独立する場所は、海のない地元か、それとも多くの店がある東京か。彼が出した答えは奥様の地元・八戸市だった。三方を海に囲まれた青森県は、イタリア料理に欠かせない鮮魚が豊富に揚がるからだ。

しかし、またひとつ大きな壁にぶつかる。「店をオープンした頃に、八戸市には本格的なイタリア料理を出す店はなかったんです」。まずは前菜とパスタを組み合わせるチョイスコースから始め、少しずつ選べる品数を減らしていった。「そろそろ、自分の料理を受け入れてもらえるな、と感じて」。2020年11月、現在のスタイルでリニューアルオープンした。機は熟したのだ。

鮮烈なオレンジが目を引く皿には、アブラツノザメの尾ビレのソテー。同じく八戸産の毛ガニを煮込んでソースに。ざくざくとした歯ざわりが心地よい。オオヒラメは皮目をバリッと焼き、にんにくの芽のソースとともに。エスプーマはなんと唐辛子で、合わせて食べるとアーリオ・オーリオになる仕立てだ。ウニの冷製パスタは、手打ちのタリオリーニと同量のキタムラサキウニを塩漬けし、水分を抜いて凝縮させた。どれも、食材の味がしっかりと伝わる料理だ。「地元にはこんなに素晴らしい食材があって、普段とは違う食べ方があるんだ、と伝えたいんです。だから、頭で考える料理ではなく、わかりやすい料理を心がけています」。話を聞くと、あらためて八戸周辺の食の豊かさを感じる。海産物はもちろん、十和田の野菜、銀の鴨、シャモロック、猪の牧場もある。レストランは食材との出会いの場。八戸におけるイタリア料理の先駆者の挑戦は、これからかもしれない。

八戸では刺身で食べる文化のあるアブラツノザメだが、近年フカヒレの製造がスタート。
東京時代からのスペシャリテだが、八戸ではウニの味がまったく違うそう。夏になると、この味を求めて来店するファンが多いひと皿だ。冬にはイカや白子と生タラの昆布締めの冷製パスタが登場する。
鮮魚は毎日池見さん自身が市場に赴き、目利き。この日の魚料理は、6kg超えというオオヒラメ。エスプーマの鮮烈な辛さが後を引く。
池見良平さん。フランス料理からイタリア料理に転向した。
スタイリッシュなカウンターのほか、白壁に囲まれた明るい個室がある。

Casa del cibo カーサ デル チーボ

住所
青森県八戸市湊高台1-19-6
電話
0178-20-9646
営業時間
19:00~22:00
土曜12:00~15:00(近県の方のみ)、19:00~22:00
定休日
日・月曜
駐車場
8台
席数
10席
予約
前日まで要予約
目安
昼11000円~、夜14300円~
カード
可 
喫煙
全席禁煙
メニュー
グラスワイン 990円~
ボトル 3850円~
グラスワインセット(食前酒+7種)8250円
住所
青森県八戸市湊高台1-19-6
電話
0178-20-9646
営業時間
19:00~22:00
土曜12:00~15:00(近県の方のみ)、19:00~22:00
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