町とともに、 目指すは世界基準
高畠ワイナリー

『高畠ワイナリー』は、シャルドネとデラウェアの生産量日本一を誇る高畠町に、1990年開業。スパークリングワイン「嘉」シリーズや、「まほろばの貴婦人」といった知名度の高いワインをラインナップし、東北各地の酒販店や駅の売店などでもよく見かける。
同ワイナリーは、〝高畠のブドウだけで世界に誇れるワインを造り、発信する〞という「100年構想」を掲げている。2009年にワイン製造技術管理士である川邊久之さんを製造部長に迎え、意識改革と技術刷新に乗り出した。松田さんは2019年に川邊さんが退社するまで、ともに世界基準のワイン造りを追求。結果、2021年にDWWA・IWSCにてボルドースタイルの赤ワインで金賞、さらに2023年のIWCにおいてもシャルドネが金賞を受賞し、世界進出を果たした。


高畠町内の契約農家は生食用品種を長く生産しており、ワイン用品種も同じように質が高い。ワインに対する評価は、生産者の評価と同義だろう。「生産者、収穫時期、醸造年代、樽の違い。ブレンドするとしたら、1億通りくらいあるでしょうか」と言いながら、松田さんは700樽近くあるワインをテイスティングし、ノートに細かく記していく。ブレンドの時期には歯が真っ黒になる。「でも、世界ではこれくらい〝普通〞ですからね」。高畠町の風土と生産者の思い、そして松田さんの緻密で気の遠くなる作業の結果が1本のボトルに詰まっている。



2017高畠醗泡プリデムース シャルドネ
750ml / 5976円
シャルドネの果汁で瓶内二次発酵させた、珍しい一本。
2017高畠ゾディアック カベルネソーヴィニョン
750ml / 6626円
特にブドウを畑ごとに仕込む「ゾディアック」シリーズ。高畠町はカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に適しているそう。2017年は自社畑から。
2019高畠マジェスティック ローグル・ブルー 青おに
750ml / 3972円
「マジェスティック」シリーズはその年の最高品質のブドウのみで仕込む。高畠町出身の童話作家・浜田広介の「泣いた赤おに」をモチーフにし、名付けた。
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- 取材・文:小林 薫(編集部)
- 写真:池上勇人