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郡山

こおりやま

koriyama

奥会津の魅力を 阿吽の呼吸で

あ吽

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記事制作:
Kappo
あ吽

郡山を代表する名店での長い修業。その中で、林亮太さんは牛肉の扱いや目利きはもちろん、牛の生育環境や生産者の思いにまで深く触れてきた。2013年、『あ吽』をオープン。当初は東北の牛肉全般にスポットを当てていたが、奥会津牛の生産者・田部広大さんとの出会いがターニングポイントとなる。 

「田部さんが育てる奥会津牛は、融点が低くなめらかな脂の旨さが際立っています。それは、田部さんがそう仕上がるように餌の種類や与える時期、量やコンディションなどをきっちり調整を図っているから。そして、いい肉をつくる。」

我々は生きものから食べものを得ている。その厳然たる真実と向き合い、料理することを信条としていた林さんと田部さんの思いとが響きあい、『あ吽』は奥会津牛の専門店となった。

奥会津牛が肉になるのは、月に3頭。枝肉はもちろん、相対取引の恩恵により内臓も丸一頭分、林さんの手に入る。ちゃんと育てた牛は内臓こそがおいしい、と林さんは言い、闊達なアイデアと手法で新たな料理を生み出す。前菜の一品として添えられたのは、センマイ。薄皮をきれいに剥いて柔らかくゆで上げ、淡い下地に漬けたものを夏野菜とともに胡麻和えに。くんにゃり、しゃっきりとした食感がオクラのとろみを得た胡麻衣と好相性だ。ハツは、58℃の低温で2時間ゆるゆると火を入れ、限りなく生の食感に近いユッケに。官能的な舌ざわりと、鼓動を打つ器官の力強い風味は初体験の味わいだ。 

通常であればステーキやすき焼きにするのが定石のサーロインを、林さんは冷菜に仕立てた。62℃で40分の火入れ。全体が薄桃色に染まるほど霜の降った冷たいサーロインが、驚くべき速さで口中にとけた。地場産「さすけなす」の瑞々しさ、ウニ、ぽん酢のジュレが肉の風味に絡まりあって余韻をひき延ばす。 

奥会津牛の脂。その質の良さをさらに実感させられたのが、シャトーブリアンの牛カツサンド。厚み約3cmのシャトーブリアンをカツにしてトーストしたパンにサンド。鮫川村・ファームつばさのジャージー乳クラフトバターをのせ、ひとつには黒トリュフを、もうひとつには山荘 無量塔の粒マスタードを添えてある。かぶりつけば、パンと衣のさっくり感のみ残し、肉の抵抗を全く感じないほどすっと噛み切れた。え、と驚くと同時に、肉のジュと脂とが混然となった旨みがどーっと訪れた。片やトリュフ、片やマスタードが肉の風味に鮮やかなコントラストを与え、後味を跳ね上げるようなキレとなる。ただでさえ後味のいい脂があまりに潔く口中から消えたので、満ちていた食欲にまた火が付いた。ステーキはフィレ。シャトーブリアンが大トロだとすれば、フィレは中トロ。赤身の旨さと脂の旨さが逆転するこの部位を、カツよりもじりじりと火を入れた炭火香るミディアム・レアで堪能しよう。 

「牛の冷菜」。水ナスと同じくらい水分の多い「さすけなす」の瑞々しい甘さがサーロインとよく合う。
「ハツのユッケ」。しっかり低温で火を入れ、生さながらの食感と風味に仕上げた。
「フィレステーキ」(写真は2人前)。赤ワインとバルサミコ酢、地元産ブルーベリーのソースで。白河・ガンバ農園のアスパラガスをガルニに添えて。
「シャトーブリアンの牛カツサンド」。林さんが幼い頃から愛し続ける「ふたばやパン店」の食パンを使用。
コースが基本。フィレを楽しむなら1万1000円から、シャトーブリアンは1万3200円から。
店主・林 亮太さん。「『あ吽』はものごとの始まりと終わりの一文字。牛の一生の始めから終わりまでをちゃんと見届けながら料理したいし、料理は“阿吽の呼吸”が大事ですから」。

あ吽

住所
福島県郡山市大町1-2-9
電話
024-954-7880
営業時間
18:00~23:00(22:00LO)
※前日までの要予約制
定休日
日曜、祝日(祝日営業の場合あり)※8月16日、20日、21日、24日は休み
席数
18席
予約
座席のみの予約不可
目安
1万3000円~1万5000円
カード
喫煙
個室のみ喫煙可
メニュー
吽雅  8800円  至福  1万1000円  極上おまかせ  1万6500円~  極上和牛づくし  1万6500円~ 
住所
福島県郡山市大町1-2-9
電話
024-954-7880
営業時間
18:00~23:00(22:00LO)
※前日までの要予約制
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