山と海、生産者と消費者をつなぐ ワイナリーのレストラン、スタート
南三陸ワイナリー

同じ地で育った食材とともに楽しめるワインを、とワイン造りを始めた『南三陸ワイナリー』が、早くもその目標を実現しつつある。2020年12月に、ワイナリーでレストランの営業をスタートさせた。「大人数でワインとともに地元食材を食べられる場を町内で提供する、というのもレストランの目的だった」とワイナリーの代表・佐々木道彦さん。ランチやディナーを事前予約制で受け付けている。

「ランチプレート」は、南三陸の食材をふんだんに盛り込む。この日は、「いばり仔豚」のロースト、地元で水揚げされた魚のアラでだしをとった南三陸産ムール貝のクラムチャウダーと、カキをペーストにし、バターと合わせた「牡蠣バター」など、全7種。すっきりとした「デラウェア・スパークリング」と合わせた。
「おいしい食材を作る、小さいけれどこだわりを持った生産者が多い。南三陸町はそんな印象です」と佐々木さん。海に目を向ければ豊かな漁場で育まれた、四季折々の海産物。山には「わかめ羊」や「いばり仔豚」、入谷では仙台牛も生産されている。ワインを媒介に、海のもの、山のものとが交わる。生産者や、南三陸に暮らす人もまた然りだ。「町内で生産されたものを食べる機会が少ない」と言われることも多い。そこもこのレストランが担う役割となるだろう。交流が生まれ、新しいアイディアや料理が、ここから生まれる日も近い。


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- 取材・文:小林 薫(編集部)
- 写真:鈴木信敏(ノブフォト)