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新花巻

しんはなまき

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手ぶらで自炊部に滞在。 その自由さ、心地よさに時を忘れる

大沢温泉 自炊部・湯治屋

  • 花巻市
  • リラックス
  • 温泉
記事制作:
Kappo
大沢温泉 自炊部・湯治屋

県道12号線沿いに点在する花巻南温泉峡をたどり、やがて右手に大沢温泉の入り口が見えて来る。手前の道を下れば、近代的な山水閣と入母屋破風の玄関が堂々たる自炊部。奥の道を下れば、茅葺屋根を擁した菊水館。大沢温泉は一軒宿だが、個性あふれる3つの建物とその内と外に広がる空間によって、なつかしき湯の町の風情を存分に楽しめる稀有な存在だ。
 帳場で手続きを済ませ、部屋まで歩く。築200年は経とうという建物だが、しっかりと磨きこまれ床も建具も飴色に光っていた。「上館二号」と名札のついたその部屋は、深緑を背負った菊水館の茅葺屋根と曲がり橋を望む絶景の角部屋。緑陰と川の流れが傍らにあることで、街なかよりも気温は2、3℃低いかもしれない。エアコンはなし、別荘で扇風機が借りられるが、それも必要なさそうだ。この自炊部の宿泊料金は、部屋代に寝具や浴衣といった各自必要なものを借りた分だけ支払う積上げ算方式。長期滞在を決めこむ場合には、寝間着はもちろん布団一式を持ち込む人も少なくないという。夕暮れを前に、ざあっと白雨が訪れた。緑の匂いが濃くなる。食事の前に、まずは「大沢の湯」につからなくては。
 豊沢川にせりだすように造られた大露天風呂「大沢の湯」。混浴で、しかも橋を渡る人と手を振りあえるような解放感たっぷりの空間だ。さて、身体も頭もとろとろと温まり、お腹も空っぽとなった。自炊部でも手ぶらで気軽に訪れることができる大きな理由の一つが、食事処「やはぎ」の存在である。
 うまいと評判の十割蕎麦は自家製麺で、更料と田舎、韃靼の3種類があり、特に韃靼蕎麦の風味の濃さは特筆もの。ほかにも定食や丼、酒肴など、メニュー居酒屋か食堂ばりに安く、これなら一週間毎日通っても飽きないだろう。しかも部屋への持ち込みや出前も可能とくれば、売店で買った地酒とともに月見酒、と洒落込むこともできるのだ。
 部屋に戻り、つくねんと腰を下ろす。ぎし、と階下で床が軋む音。遠くからかすかに響く笑い声。川の音も絶えず聞こえているのに、静寂だ、と感じるのは何故なのだろう。
旅は、非日常を楽しむものだ。しかしここ大沢温泉の自炊部は、非日常の中に居心地のいい日常が横たわっている。それはまるで、夏休みを過ごした祖父母の家のような。ネット環境さえ整うならここにカンヅメになりたい、とさえ思った。

自炊部露天風呂「大沢の湯」(5:00~24:30)は、同じ湯舟につかったもの同士の朗らかな連帯感を楽しむ。アブが発生する時期を除き、20:00~21:00は女性専用タイム。
自炊部の大浴場「薬師の湯」(男女別・24時間)。隣接して女性専用の露天風呂「かわべの湯」(5:00~24:00)がある。
大沢温泉の歴史を物語る資料や写真が飾られた待合。宮沢賢治が大沢温泉を訪れた際の写真も。
自炊場には水道はもちろん無料の食器、鍋、1回10円で8分程度使用できるガスコンロがある。今日から2週間の滞在だという男性が持参の魚をさばき、見事なお造りにしていた。
自炊場には水道はもちろん無料の食器、鍋、1回10円で8分程度使用できるガスコンロがある。今日から2週間の滞在だという男性が持参の魚をさばき、見事なお造りにしていた。
山水館の半露天風呂「豊沢の湯」(男女別・24時間)冬はガラスが入り内風呂になる。
「昔に比べれば、三月、半年といったご滞在の方はだいぶ少なくなりました」と支配人の西村真之介さんは言うが、それでも一週間単位で腰を落ち着ける人は少なくない。
「やはぎ」の「十割そば」(1100円)。朝・昼・夜の炊き出しは「ごはん」(1合・200円、0.5合・100円)、「みそ汁」(150円)。要予約。

大沢温泉 自炊部・湯治屋

住所
岩手県花巻市湯口字大沢181
電話
0198-25-2315
定休日
無休
駐車場
無料駐車場あり
アクセス
車で東北自動車道花巻南ICより15分 電車で花巻駅・新花巻駅より「花巻南温泉峡」行の無料シャトルバスあり(1日3本)
料金
素泊まり1名宿泊/2900円(税込)~(寝具・浴衣など別途料金)
日帰り入浴
大人700円、子供400円7:30~21:00( 受付~20:30) ※自炊部の風呂と豊沢の湯に入浴可
IN
15:00
OUT
10:00
カード
客室数
53室
浴室
露天風呂(混浴1、女性専用1)、半露天風呂(男女各1)、内風呂(男女各2)
泉質
アルカリ性単純温泉(自家源泉・「山水の湯」「豊沢の湯」は掛け流しと循環を併用、他は掛け流し)
湯量
700ℓ(毎分)
源泉温度
約51℃ pH9.2

※取材時の情報です

住所
岩手県花巻市湯口字大沢181
電話
0198-25-2315
定休日
無休
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駐車場
無料駐車場あり
アクセス
車で東北自動車道花巻南ICより15分 電車で花巻駅・新花巻駅より「花巻南温泉峡」行の無料シャトルバスあり(1日3本)
料金
素泊まり1名宿泊/2900円(税込)~(寝具・浴衣など別途料金)
日帰り入浴
大人700円、子供400円7:30~21:00( 受付~20:30) ※自炊部の風呂と豊沢の湯に入浴可
IN
15:00
OUT
10:00
カード
客室数
53室
浴室
露天風呂(混浴1、女性専用1)、半露天風呂(男女各1)、内風呂(男女各2)
泉質
アルカリ性単純温泉(自家源泉・「山水の湯」「豊沢の湯」は掛け流しと循環を併用、他は掛け流し)
湯量
700ℓ(毎分)
源泉温度
約51℃ pH9.2

※取材時の情報です

サイト掲載日 

雑誌掲載日
※本記事の情報は掲載時の情報です

  • 取材・文菅原ケンイチ
  • 写真佐藤功弥(cobalt photography)
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