廃線跡、峠の湯、鉄道文化むらで楽しむ“レトロな非日常”
トンネルの冷気と湯けむりと。碓氷峠へ

かつて信越本線が横川から軽井沢へと駆け抜け、多くの旅人の胸をときめかせた碓氷峠。さらに時代をさかのぼれば、松井田から軽井沢へと続く中山道が行き交う人々で賑わった峠越えの要衝でもあった。1997年の北陸新幹線開業に伴い、この横川~軽井沢間の線路はその役目を静かに終えた。今では「廃線跡」として新たな物語を紡いでいる。
その廃線跡を舞台に楽しめるのが、ガイドとともに歩む「廃線ウォーク」だ。薄暗くひんやりとしたトンネルや、山肌に寄り添う鉄橋、苔むしたレンガの遺構をたどる道のりは、ちょっとした冒険とノスタルジーを同時に味わえる特別な時間になる。歩いたあとの締めくくりには、碓氷峠の森に抱かれた日帰り温泉「峠の湯」へ。山並みを望む露天風呂に身を沈めれば、ひんやりとしたトンネルの空気や、足もとに延びるレールを確かめながら歩いたひとときが、湯けむりとともにやわらかな余韻へと変わっていく。
鉄道ファンであれば、横川駅前の「碓氷峠鉄道文化むら」で往時の車両に触れてみてほしい。静かに佇む機関車たちは、峠を越えた記憶をいまも身体のどこかに宿しているようだ。また、中山道をなぞるレンタサイクルで軽井沢方面へ走れば、風を切る感覚のなかに、かつてここを行き交った人々の息吹が重なって感じられるかもしれない。
安中榛名駅から横川へ向かう途中には、時期によってはぐんま三大梅林のひとつ「秋間梅林」での花見や、ゴルフ場に併設されたリゾートスパなども楽しめる。レンタカーは駅前営業所に常時車両がないため、利用時は必ず事前予約をしておきたい。
廃線を歩き、峠の湯でほどけ、鉄道の記憶をめぐる一日。足を伸ばせば、温泉記号発祥の地として知られる磯部温泉も近い。時代が変わっても、碓氷峠はここにある。
今回紹介するスポットは、THE GUNMA編集部の女性スタッフが実際に訪れ、体験を交えながら取材したものです。
歩こう!ガイドと巡る廃線の魅力あふれる散策
1997年の廃線から時を経て、いまも現役当時のままの姿で残る信越本線の線路や橋、トンネル。通常は立ち入り禁止のこのエリアを、地元ガイドの案内付きで歩けるのが「廃線ウォーク」だ。横川~軽井沢、軽井沢~横川の上り下り両方コースを楽しめる峠越えルート。標高差553mのダイナミックな地形を歩きながら、鉄道遺産の迫力と峠の自然を同時に体感できる、特別な時間がここに流れる。このほか、夜間限定の光と音と映像が織りなすナイトウォーク「MELODIC LIGHT WALK」など、シーズンごとの特別企画も見逃せない。予約・詳細は公式ウェブサイトから。


見て触って体験できる鉄道のテーマパーク
碓氷峠の鉄道文化と歴史に触れられる、鉄道のテーマパーク。鉄道好きの大人から小さな子どもまで、幅広く楽しむことができる。広々とした敷地内には、かつて横川から軽井沢までの急勾配に挑んだ実物の機関車や客車を展示。中には車内に入れる車両もあり、当時の息づかいを間近に感じることができる。ミニ蒸気機関車に乗って園内を一周したり、講習(抽選)を受けたうえでの完全予約制で本物の電気機関車の運転を体験したりと、体験型のアトラクションも見逃せない。


頭文字Dの聖地に誕生したコンセプトカフェ。名物「峠の釜めし」と一緒に楽しむ
「峠の釜めし」で有名な、全国にその名を知られるドライブイン。名物の「峠の釜めし」はもちろん、ご飯ものから麺類まで幅広いメニューを取り揃えている。また2025年4月には店内の奥に、プロドリフトドライバー下田紗弥加選手の世界観をテーマにしたカフェ「SAYACAFE」がオープン。碓氷峠が人気マンガ「頭文字D」の舞台になったことからも注目を集めている。モノトーンとブルーで統一されたスタイリッシュな空間で、同選手のドライビングシーンの映像や写真を眺めながら、オリジナルのスイーツやドリンクを味わえる。


- 住所
- 群馬県安中市松井田町横川297-1
- 電話
- 027-395-2431
- 営業時間
- 店内売店・釜めし売店 9:00~17:00 ※状況により延長あり たびーとキッチン(FFコーナー)10:30~16:30(L.O.16:00) SAYACAFE 10:00~16:30
- 定休日
- 無休
- 駐車場
- 120台
- アクセス
- JR横川駅から徒歩約7分
※取材時の情報です
- 住所
- 群馬県安中市松井田町横川297-1
- 電話
- 027-395-2431
- 営業時間
- 店内売店・釜めし売店 9:00~17:00 ※状況により延長あり たびーとキッチン(FFコーナー)10:30~16:30(L.O.16:00) SAYACAFE 10:00~16:30
- 定休日
- 無休
- 駐車場
- 120台
- アクセス
- JR横川駅から徒歩約7分
※取材時の情報です
落ち着いた雰囲気のタップルームで、クラフトビールを贅沢に味わう
地元、松井田町出身の女性オーナーが地域の活性化を目指して2025年8月にオープンしたクラフトビール醸造所兼ビアバー。 木の温もりに包まれた店内や、開放感あふれるテラスで、裏妙義の雄大な景色を眺めながら個性豊かなクラフトビールを味わえる。 同店では電動アシスト付き自転車のレンタルサービス「Pedal&Sky」を提供しており、坂道が続くエリアだが、景色を楽しみながら周辺の観光スポットも気軽に回ることができる。 ライドの後は店内やテラスで一息つき、クラフトビールを堪能したい。碓氷・横川を拠点に、寄り道しながらのサイクリングを楽しもう。
森に抱かれ湯にほどける。碓氷峠のやすらぎ温泉
碓氷峠の豊かな森の懐に抱かれた日帰り温泉。山並みを望む露天風呂からゆったりとした大浴場まで、自然と一体になるような湯浴みが楽しめる、峠ならではのリラクゼーションスポットだ。
最大の魅力は、弱アルカリ性の泉質。とろりとやわらかな湯が古い角質をやさしく落とし、湯上がりの肌にしっとりとした潤いを残してくれる。刺激が少ないため、子どもから年配の方まで、家族そろってゆっくり長湯を楽しめるのも嬉しい。露天風呂では、山の澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込みながら、木々のざわめきや野鳥のさえずりに耳を澄ますひととき。日が落ちれば、湯船の真上には満天の星が広がる。


美容と心身の調和を通じ、すべての人に人生のコンシェルジュとしての価値を提供。 ここでしか味わえない静寂と木のぬくもりを
美しい自然に抱かれた完全会員制ゴルフ場「THE CLUB golf village」内に佇む「THE CLUB SPA」。美容と心身の調和を通じ、すべての人に“人生のコンシェルジュ”としての価値を提供。 ここでは、古来より親しまれてきた天然温泉「アルバトロ湯」や、フィンランド式サウナでの深いリフレッシュをはじめ、オーダーメイドのオイルトリートメント、最先端技術を取り入れたフェイシャルケア、深層筋へアプローチする最新機器「ラクリス」、可動域を広げるゴルフ整体、脳疲労をケアする高濃度HHO(水素吸入)まで、悩みに合わせた施術を幅広く用意している。 また、大切な愛犬と一緒に滞在を楽しめる環境も整えており、雄大な自然の中で心置きなく愛犬との時間を心ゆくまで過ごせる。 ここでしか味わえない圧倒的な静寂と木のぬくもりに包まれながら、心身を解放する至福のスパ体験を堪能できる。
- アクセス
- JR安中榛名駅から車で約10分(駅から無料送迎あり・要予約)
※取材時の情報です
- 定休日
- 無休(メンテナンス休館あり)
- アクセス
- JR安中榛名駅から車で約10分(駅から無料送迎あり・要予約)
※取材時の情報です
和のぬくもりに心寛ぐ。名湯と土地の味覚を堪能する老舗旅館
碓氷川のせせらぎや竹林を渡る風の音に包まれた老舗旅館。和の情緒を大切にした空間で、豊かな自然に抱かれながら、ゆったりとしたひとときを過ごすことができる。純和風のしつらえが訪れる人に心地よい静けさをもたらし、日常の喧騒をそっと遠ざけてくれる。
そんな落ち着いた雰囲気のなかで味わう料理は、群馬県産の旬の食材を贅沢に取り入れた創作懐石。穏やかな時間が流れる個室料亭(要予約)で、きめ細やかなおもてなしとともに、彩り豊かな一皿一皿をゆっくりと楽しめる。なかでも宿泊客の大きな楽しみとなっているのが、朝食で供される当地名物「鉱泉豆腐」だ。磯部温泉の源泉を用いたこの湯豆腐は、火を入れることでとろりととろけるようなやわらかさに変わり、大豆の甘みとともに多くの人の舌を魅了している。
館の魅力を語るうえで欠かせないのが、自慢の温泉だ。温泉記号(♨)発祥の地として知られる磯部温泉の泉質はナトリウム-塩化物炭酸水素塩泉で、肌当たりがやわらかく「美人の湯」としても親しまれている。大浴場や露天風呂でゆったりと手足を伸ばし、滾々と湧き出る良質な湯に身をゆだねれば、日々の疲れがじんわりとほどけていくのを実感できるはず。
その心地よい余韻のまま、客室でのくつろぎ時間を。全23室のうち、近代数寄屋造りの新館「花風館」は全室に檜風呂を備え、いぐさの香り漂う畳敷きの空間で心ゆくまでくつろげる。和モダンなツインベッドと半露天風呂をしつらえた客室「こかげ」など、上質なプライベート空間も用意されており、窓の外に広がる自然を眺めながら思い思いの時間を過ごしたい。


- 客室数
- 全23室
- アクセス
- 安中榛名駅から車で約16分/JR磯部駅より徒歩約5分
※取材時の情報です
- 客室数
- 全23室
- アクセス
- 安中榛名駅から車で約16分/JR磯部駅より徒歩約5分
※取材時の情報です
サイト掲載日
※本記事の情報は取材時の情報です
- 取材・文・写真:THE GUNMA編集部
















