55 Stations|新幹線で行く、思いがけない出会い

新幹線で行く思いがけない出会い
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米沢

よねざわ

yonezawa

秘境駅よりも秘境に湧く、冬季閉鎖の湯

滑川温泉 福島屋

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記事制作:
Kappo
滑川温泉 福島屋

常緑樹が生い茂る山はまだつめたい雪を肌に残し、左右上下に起伏する細い道を雪解け水で濡らす。路傍にはカタクリに蕗の薹、オニゼンマイ。視界を楽しむ余裕があるのも、行く先に確固たる宿の存在を信じているからだ。

ざあざあと流れる川の匂いと新緑の匂いに、濃い硫黄泉の匂いが混じる。たどり着いた『福島屋』は、1763年開湯の滑川温泉の一軒宿。現当主の笹木和夫さんで13代目となる。豪雪期である11月上旬から4月下旬までは宿の4km手前、JR峠駅との分岐点までしか除雪車が入らないので、ほぼ半年間は休業し和夫さんがひとりで湯守・家守をするという。

内湯の大浴場。混浴。女性はバスタオルを巻いての入浴可。
右へ行けば秘境駅として有名なJR奥羽本線・峠駅。左へ行けば『滑川温泉 福島屋』。その丁字路に立つ『ECHō』。一年を通して利用できる一棟貸しの無人宿。

「今年は特に雪が多かったので、父には苦労をかけました。雪に潰されないよう、雪下ろしをし続けるのも大事な仕事なんです」

そう語るのは、14代目を継ぐ雅生さん。JR奥羽本線・峠駅との分岐点に一棟貸しの無人宿『ECHō』をつくるなど、冬の半年を活性化させるための取り組みにも熱心だ。

女性専用の内湯。半円形の湯舟を配したモダンなデザイン。高い天井が開放的。
自炊逗留ができる湯治の客室。※1泊1名料金は3500円。

開湯の頃の佇まいを残し、修繕を重ねてきたコの字型の宿。ぎしりと軋む廊下や階段、湯治の客室などが往時を彷彿させ実に趣深い。3つの自家源泉からなる4つの湯舟は、加水・加温・循環消毒を一切しない純然たる掛け流し。主泉である「上の湯」は53.6℃の低張性中性高温泉で、胃腸病や糖尿病、動脈硬化症などに効果が期待できる含硫黄–ナトリウム・カルシウム–炭酸水素塩・硫黄塩泉。「中の湯」「下の湯」も泉質はほぼ等質だが、「中の湯」は神経痛にも効能があるという。館内には混浴の大浴場と女性専用の内湯を内包し、専用出口から出た先に2つの露天風呂を擁している。

せせらぎを望む「参号室」客室。200年前の開湯当時の建物に修繕と増築を施して使い続ける、風格と趣ある造作。
前川の上に架かる吊り橋から望む『福島屋』。滑川大滝や滑川布滝、亀滝鶴岩などの周辺散策も楽しい。

『福島屋』の代名詞ともいうべき露天の岩風呂は、出口から2分ほど歩いた川べりにある。川底を掘って石組みした湯舟は、まさに大自然にひらかれた原始の湯だ。前川の清流が傍らにあるせいか、火照った顔をひんやりとした風が撫で、思った以上の長湯が楽しめる。檜の露天は、また異なる趣。こちらは目隠しがあるので、女性も気兼ねなくゆったりできる。露天のダイナミズムとは打って変わって、内湯は歴史を感じさせるクラシカルな佇まい。石と木で組まれた高天井に大浴場は八角形、女性専用は半円の湯舟を配したモダンなデザインだ。”険道”とまで言われる道の果てに湧く、乳白色の秘湯。気が済むまで籠ってみたい。

14代目を継ぐ専務の笹木雅生さん。
檜の露天風呂。岩風呂に比べると湯舟は小さいが、眺望は雄大。基本は混浴だが、17:00~21:00は要予約、21:00~9:00は予約不要にて貸切利用が可能。

滑川温泉 福島屋

住所
山形県米沢市大字大沢15番地
電話
0238-34-2250
宿泊料金
1万4950円~ ※1泊2食付1名料金
IN
14:00
OUT
11:00
客室数
24室
カード
アクセス
JR奥羽本線峠駅より車で10分
※宿泊の場合は無料送迎あり。要相談

※取材時の情報です

住所
山形県米沢市大字大沢15番地
電話
0238-34-2250
宿泊料金
1万4950円~ ※1泊2食付1名料金
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日帰り温泉

営業時間
9:00~16:00
料金
大人700円、小人350円
定休日
11月上旬~4月下旬
泉質
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫黄塩泉(低張性中性高温泉)、源泉温度53.6℃、pH7.1
浴槽数
内湯2(混浴・女)、露天2(混浴)

※取材時の情報です

営業時間
9:00~16:00
料金
大人700円、小人350円
定休日
11月上旬~4月下旬
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※本記事の情報は掲載時の情報です

  • 取材・文:ナルトプロダクツ
  • 写真:池上勇人